車体や部品用の素材は鉄鋼が主体でしたが、最近は部位ごとに最適な素材を使い分ける「マルチマテリアル化」が進んでいます。米調査会社のCAR(ミシガン州)の推計では、2010年時点で世界の車体材料の9割以上を占めた鉄の比率は、2040年には7割程度まで減るといわれています。
代わって台頭するのがアルミなど非鉄や炭素繊維、樹脂材料です。素材メーカーは軽量化を商機とみて、次々と自動車分野に参入していますが、現在はコストでは鉄が優位な状況です。コストと軽さ、強度という相反する課題を解決するのは簡単ではありません。
日本製鉄は鉄だけで3割軽量化できる次世代の車の開発モデルを2019年に発表しました。ハイテン材よりもさらに強度が高くて軽い「超ハイテン材」を組み合わせ、コスト競争力に優れた鉄の優位性を訴求しています。JFEスチールも自動車鋼板とその周辺技術を1つのブランドに統一し、共同開発やハイテン材の受注拡大につなげる動きをしています。
軽量化に向け、鉄以外の材料の採用を増やす取り組みはこれまで欧州の自動車メーカーが先行してきました。日本の自動車メーカーは鉄からの置き換えに後ろ向きでしたが、世界的なEVシフトの流れを受け、採用を増やす動きが広がっています。
化学メーカーなどが売り込むのは炭素繊維強化プラスチック(CFRP)です。東レは日本やイタリアでCFRP加工メーカーを買収しました。
東京鋲兼は、CFRPでも数々の導入実績がありますので、ご相談ください。